ケータイ小説『ハルシオンのいらない日常』 著:ヨウ


ここまで来ると、もう、何かの感情を抱 くこと自体疲れてくる。

好きの気持ちで続けるのは、あまりにも しんどい。

私は、金の成る木じゃない。

お金を得るには、それなりのことをしな きゃならない。

ミチだって働いてるんだからそれくらい 分かるはずなのに、バカみたいな金銭感 覚で、人のお金を湯水のように使う。

許せなかった。

「もう、無理だよ!

前に消費者金融で借りた10万だって、私 が返済してるんだよ?

ミチは、私に借りたお金を何に使って る? パチンコ? 宝くじ?

そうやって無計画に遊んでばっかいる から、お金がたまらないんだよ!

借金返す気、本当にある?

いつまでそうやっていい加減な生活して く気?」

ずっと、言わないようにしてきたこと。

もう、我慢の限界……。

私は、ミチと別れる覚悟を決めた。

ヘラヘラしていたミチはガラリと表情を 変え、ゾッとするほど冷たくこう返し た。

「グダグダと、うぜー女。テメエは黙っ て金だけ持ってこればいいんだよ。

お前みたいなブスで疲れる女、他に相手 するヤツいねぇんだからさ」