「バイト先で知り合ったの」
「そっか。幸せなんだな」
海君は言い、自分のケータイを確認し た。
「海君も、彼女からメール?」
「……あー、うん」
「幸せなんだ、ふふっ」
それ以上、言葉が出なかった。
笑っているのに、声が震えそう。
海君、彼女いるんだ……。
私のこと待ち伏せしてきたし、今もこう やって飲みに誘ってきたから、もしかし たらって期待も、少しあった。
分からない。分からないよ…。
海君の気持ちも、自分の気持ちも。
私は、ミチと付き合ってるのに。
彼女へのメールを打つ海君を見て、い ま、ハッキリわかった。
私は、海君のことが好きだって。
海君に、私への未練を持っててほしいと 願ってる。


