ケータイ小説『ハルシオンのいらない日常』 著:ヨウ


「塾は、行かなくていいの……?」

私は、海君の制服を指差した。

「ああ、塾か!大丈夫。早く終わったか ら…!

今日、簡単な模擬テストだけだったし」

「最近ずっと、模擬テストだったの?」

海君の動きが止まった。

私、人のことに口を出し過ぎかもしれな い。でも、止まらなかった。

「こんなとこに居る場合じゃないよ。

海君の親、気付いてるよ。海君が塾をサ ボってること……!それに、担任にも連 絡したって……。

このままじゃ、海君、まずいよ……」

本当は、こんなこと言いたくない。

誰に何を言われたって、海君と会いた い。たくさん、しゃべりたい。

「さっき、海君の担任に言われたもん。

海君の成績が悪くなったのは私のせい だって……!

私たちが放課後会ってるとこ、学校の先 生に何回も見られてるって!」