私たちは、一緒にいたらいけない?
ただ、好きなだけ。
二人でいたいだけ。
考えていたら涙が出てきた。
その日も、海君はいつも通り私の家に来 た。
「今日は、オムライス作るぞー!」
元気に言い、腕まくりをする海君。
オムライスは、私たちの好物だった。
いつもなら、一緒に「やったぁ!早く作 ろ?」と喜ぶのに、私は笑えなかった。
今日は、海君の塾がある日。そのはずな のに、海君は制服のまま。家に帰ってな い証拠……。
「ん? どうした、ヨウ。
元気ない?」
海君は私の顔をのぞきこむ。
「もしかして、さっきの職員室のこと気 にしてる?
ちょっとな、担任と、進路のことで意見 が合わなくてさー」
訊いてもいないのに、海君はそんなこと を言う。
優しいね……。知ってるよ。私のことで 先生とケンカになったんだよね。なのに 海君は、私を責めない。
いつもみたいに笑ってくれる。
それがなんだか、悲しかった。
嬉しいのに、胸が痛い。


