ケータイ小説『ハルシオンのいらない日常』 著:ヨウ


海君は悲しげに、

「でも…! ヨウはそれでいいの か!?」

「うん、大丈夫。物が無くなったりとか の被害はないし、ひとりで居るのは ちょっとつらいけど、海君といる時は救 われてるし!」

「ヨウがそう言うなら……。

でも、何かあったら絶対に言えよ? 力 になるから」

「ありがとう」


海君の言葉で、私は心から救われた。

親以上に、私に関心をもって接してくれ る。

相談に乗ってくれて、本当に本当に、嬉 しかった。頼もしかった。


ウチの事情、向かいに住んでる海君も 知っていたと思う。でも、家族のことに は触れてこなかったし、私も話さなかっ た。

海君と一緒にいる時間はあっという間に 過ぎてしまうから、暗い気分になるよ り、明るい気持ちでいたかったんだ。