ケータイ小説『ハルシオンのいらない日常』 著:ヨウ


海君には友達がいるのに、昼休みになる と、私を外に連れ出してくれた。

晴れの日は中庭のベンチ。

雨の日は図書館。

こんなことすぐ終わると思っていたの に、何日経っても関わりは途切れない。

不思議に想いつつ、私は海君といろんな 話をした。


「さっき、泣いてた?まだ、目ェ赤い。

なんかあったの?」

海君はストレートに訊いてきた。

グチっぽくなるのは嫌だったけど、そう 質問されたことがキッカケで、私は海君 にクラスでの出来事を話すことになって しまった。

「ちょっと前から、みんなの前でうまく 笑えなくなって……。

だんだん、グループのコとも話しづらく なって、今は孤立。ノリ悪い私が悪いの は分かってるけど、どうしたらいいのか 分からないし……」

「ひでぇな! そんなん、誰だって笑え ない時はあるし、ひとりになりたい時も あるよな。

無理矢理テンション合わせろって言うそ いつらがワガママなんじゃん!」

海君は、私の話に対して自分のことのよ うに腹を立て立ち上がる。

「よし! 俺がそいつらにちゃんと言っ て、誤解解いてくる!

ヨウは、悪気があってノリ悪くしてたわ けじゃないんだって、知ってもらわない と!」

「ううん! いい! やめて!」

私は必死に海君を止めた。

「海君が入ったら、よけいこじれる! 今より、教室に居づらくなるよ……」