あの頃は、何かと大変だった。
実の両親が離婚し、母親に引き取られた ことで私の名字は変わった。クラスのコ 達の対応もよそよそしかったし、お母さ んは精神的に疲れていたのか、「死にた い」とよく言っていた。
私は、居るだけでお母さんの負担になる 上に、支えにすらなっていない……。
自分の無力さを知り、生きているのが悪 いことのように感じた。生まれてきた意 味はあるの?って。
それまで、周りのコ達に合わせることで 自分の居場所を保ってきたのに、生きる ことへの罪悪感で、愛想笑いすらできな くなった。
存在自体が、迷惑だよね。
学校でみんなと給食を食べながら、夜、 お母さんの疲れた背中を見ながら、そう 思っていた。
気持ちを出さなくなった私は、次第に学 校で避けられるようになる。
「学校は社会に出る前の勉強の場だぞ。 ちゃんと仲良くしなきゃだめだろう」
校長と仲の悪い担任にそんな注意をされ た時は内心笑った。
お母さんが、ニュースの殺人事件を見て 「いっそ、私を殺してくれないかしら。 生きるのに疲れた……」 と言い出した時 は、私も死にたくなった。


