次に、私が男と付き合ったのは、大学一 年の時だった。
先生のパターンと同じく、あっちから告 白してきて付き合いが始まった。
相手は、ゼミのクラスが同じだった人。 顔を合わせるたびに仲良くなっていっ た。周囲の学生いわく、彼は『まあまあ かっこよく、オシャレな人』だった。
自分から好きな人に告白して、両想いで あることがわかったから交際スタート。 そんな流れで男の人と付き合ったりした いなぁと、思わなくはなかった。
変な家庭に育った欠陥品みたいな私 にも、人並みに恋を楽しみたいという感 情はあったし、健全なる思考の元、愛す る男性と幸せなセックスをしたいと夢見 たりもした。
でも、私にはそんなの無理ということも よーく分かっている。中学の頃、本気で 好きだった人から逃げてしまったから。 それから私は、大事なことから逃げるク セがついてしまった。
それでもいいや。もう。夢は夢と割り切 り、リスクの少ない恋をすると決めたん だから。
私は感情的な人間だけど、先生の時みた いに無駄な時間を過ごして精神を削るよ うな恋は二度としたくない。大学生の頃 には、すでに計算高くなっていた。
人並みに幸せになりたいし、将来、結婚 して、晩ごはんの献立に頭を悩ませるよ うな平凡な暮らしをして、ゆる~い奥さ んになりたかった。
子供はいてもいなくてもどっちでもいい けど、いたら思いきり可愛がりたい。寂 しい想いは絶対させないんだ。
ウチみたいにギスギスした雰囲気とは程 遠い、笑顔と笑い声が溢れる家庭を心底 望んでいた。
『重い!』って引かれると思っていたの に、二人目の彼氏は、私のそういう思考 を理解してくれた。


