私には、こういう恋愛がお似合いなのか も ね。

愛なんて感じる雰囲気もなく、されるが ま ま、流れのまま相手の欲求の対象にさ れる 、都合の良い女――。


なんとなくだけど、付き合う前から、先 生 には深入りしない方がいいと思って た。私 のカンは当たった。


先生と付き合って半年が経った、寒い冬 の 日。お互いに休みの週末。

いつも通り、先生の運転する車で迎えに 来 てもらい、軽くドライブしていると、 先生 が憂鬱そうな顔でこう切り出した。

「夜空、別れよう」

「どうして?」

一応、聞いてみた。

気分的に、あまりガツガツしてなかった 関 係でも、いざ途絶えるとなると、その 瞬間 、私の中から執着心が湧いた。

「その……。夜空より、元カノの方が俺 の 理想なんだ……」

衝撃的な一言だった。

元カノ。そんなこと、初めて聞いた。

私が黙っていると、こっちは尋ねてもい な いのに、先生は勝手に自分の事情を しゃべ りはじめた。

「夜空と付き合う前まで、大学の同級生 と 付き合ってた。

卒業後、彼女とは別々のところに就職し た んだけど、お互いに生活が合わなく て、短 い期間内に何度もケンカ別れした りしてた 。でも、その人とは結婚の約束 もしてた。 結局、別れてしまったんだけ ど。

先月、彼女から連絡があって、やり直し た いって言われてて……。夜空と付き 合って 忘れたって思ってたのに、彼女が まだ自分 を想っててくれたって知ったと き正直嬉し くて……。ずっと悩んでた。

まだ、好きなんだよ、その人のこと。

夜空、本当にごめん……」