ケータイ小説『ハルシオンのいらない日常』 著:ヨウ


今までは思い付きもしなかったけど、自 分 の体験を生かせば、ちょっとは読者さ んの 期待に答えられる気がする。


私は、自分の恋愛を元に小説を書こうと 決 めた。今までとは違う色の作品を書く んだ !


パソコンを前に、私は回想する。


私が初めて男の人に告白されたのは、高 校 生になったばかりの頃。相手は、中学 時代 に私のクラスの副担任だった先生 だ。

教師の中でも、彼は一番若かった。 大 学を卒業したばかりの新任教師。顔は 特別 かっこいいわけではないのに、面倒 見がい いからか、それとも若いせいなの か、女子 からの人気は高かった。

高校生の時、帰り道にたまたま寄った本 屋 で、先生と再会したのが全ての始まり だっ た。それから何度か会う内に、好き だと言 われた。

元副担任からそういう対象に見られるだ な んて思わなかったし、告白されたとき はさ すがに驚いたけど、流れで何となく 付き合 うことにした。

中学の時、私には初恋の人がいた。高校 に 入ってからもその人のことを忘れられ なか ったから、先生と付き合って忘れよ うかな 、という、ズルイ気持ちがたしか にあった 。初恋の人の存在がなければ、 先生とは付 き合わなかったと思う。


中学時代より短くなったスカート。

日替わりするネイルアート。

高校生活は、それなりに楽しかったし、バイトを始めて自由に使えるお金も出来たから、 自 分を飾ることに夢中だった。

校則もゆるかった。わりと自由な校風 は、 オシャレ欲を増長させる。

自分らしくないと感じるほどに、背伸び が したかった。

どんどん大人びていく周りのコに合わせ た くて、必死だった。

そう考えていたのは、私だけじゃなかっ た はずだ。同世代の女子達は、互いに仲 間意 識を持ちつつも、内心「おいていか れない ように。周りから浮かないよう に」という 焦りもあったように感じる。