ミチとうまくいかない日常。彼氏 と過ご せる時間はたくさんあるのに、ミチ には 相手にされない。
大学とバイト先、家を行き来するだけの 毎 日。
寂しい夜も、小説の読者さんがマイナス の 気持ちを紛らわせてくれた。
ホームページの私書箱には、毎日読者さ ん からのメッセージが届く。
《ヨウさんのファンになりました!次の 作 品も期待してます》
《ヨウさんの作品大好きです!》
ヨウというのは、私のペンネームみたい なものだ。ホームページの管理も、この 名前で行っている。
ヨウというあだ名は、中学生の頃に大切 な人が付けてくれたあだ名である。雨宮 夜空(あまみや・よぞら)だから、ヨ ウ。
私なんかの作品に、ファンと名乗ってく れ るような読者さんが現れた。
日毎に増えていく私書箱のお便り。
私書箱がこんな風だから、もしかしたら 掲 示板にも何か書き込みがされているか もし れない。
ノータッチだったホームページの掲示板 を 見に行ってみると、いろんな人からの メッ セージが書き込まれていた。
多分、みんな読者さんだ。
私に対する応援の言葉が、その人それぞ れ の言葉で綴られている。


