翌日から、私は現実逃避 するようにケー タイ小説の創作を始めた。
私が、読者としてよく利用している、某 有 名ケータイ小説サイト。
そこでID登録を済ませサイトに入会し ( この作業は意外に時間がかかった)、 ホー ムページを適当に飾りつけし、さ あ、始め !
すき間時間に、ちょこっとずつページを 増 やす。
父と母のケンカに巻き込まれ気分が滅 入っ た時。
大学の講義が突然休みになった時。
バイトの休憩中。
ミチに約束をすっぽかされた待ち合わせ 場 所。
どこでも書けるなんて便利だなと思った し 、意欲がある時にすぐ行動に移せるの は嬉 しかった。
家ではパソコン。外出先ではケータイを 使 って小説を更新していく。
国語力も文法も自信ないけど、書き始め た ら止まらなかった。
理想の男性をヒーローにして、日々思い 入 れの深まる主人公女子を幸せ者にす る。
サクサク進む文章。
少しずつ、読者も増えてきた。


