ケータイ小説『ハルシオンのいらない日常』 著:ヨウ


ケンカ中、父と母の頭からは、私の存在 なんて無くなっている(いや、ケンカ中 に限らず、いつもか)。

そんな会話を延々聞かされる方の身にも な ってほしい。

認めたくないけど、一応私も、あなた達 の 娘なんだから。

そう突っ込んだところで火油なので、放 置 。邪魔者は、やつらの視界から消える に限 るね。


自室に避難し、気持ちは少し落ち着いた け ど、それをみはからったかのようなタ イミ ングで頭痛がしはじめた。精神的な ものか もしれない。

“今日も”、眠れなさそうだ……。


先日母が病院でもらってきたハルシオン と いう睡眠薬。薄い青色をしていて楕円 型。 真ん中で二つに割れる薬。

私はそれを、半かけらだけ飲んだ。

母の薬箱から、こっそりもらっている。

こうでもして強制的に眠らないと、翌日 に 響くから。