ケータイ小説『ハルシオンのいらない日常』 著:ヨウ


家庭内不和は、今に始まったこと ではな い。

この数年間、両親は飽きることなく、え ん えん同じケンカを繰り返している。

ケンカと言えるのかどうかも分からな い。

父が、一方的に母を責めるだけなのだか ら 。

父は、親になりきれていない典型的な毒 親 だと、私は思う。

たとえば、イライラすると、ささいなこ と で家族に当たったりする。

母は我慢強く(ある意味鈍感?)な人な の で、父が怒り出すと、嵐が過ぎるのを ジッ と待ち、無表情で耐えている。


父はひどい人だ。機嫌の良い時は、聞き た くもない自慢話や父の友人話を一方的に私達に話 してきては楽しそうにしている。

仕事でストレスがたまれば、私の育て方 が 悪いなどと、ケンカの内容とは全く関 係の ない話題を持ち出して母を責め、感 情のま まに当たり散らす。

私にも、その火花が降りかかることが少 な からずあるから、うんざりだ。

「大学卒業したら家から出ていけ」

苛立った時の、父の口癖だ。

よほど、私のことが嫌いなんだろう。