ケータイ小説『ハルシオンのいらない日常』 著:ヨウ


ミチとの関係がうまくいかなくな った頃 から、ネットで色んなことを検索す るの がクセになった。

目当ては、恋の悩みを解消できそうなサ イ ト。悩み事相談ができる掲示板サイト を探 したかった。

親しい友達もいない私は、そういう場所 に しか救いを求めることができない。

楽になるために、今よりミチとの関係を 深 めるために、と、必死だった。


そしたら《別れ上手は恋上手》というタ イ トルのリンクを見つけた。

気になりクリックしてみたら、それは某 ケ ータイ小説サイトのトップページだっ た。

恋愛小説を中心に、ミステリーやホ ラー、 ファンタジー小説なども置いてあ り、私は 興味を惹かれた。

小説を読んだ回数なんて、数えるほどし かない。小学生の時に、宿題の課題図書 を嫌々読 んでいたくらい、本への興味は 薄かった。

それくらい非活字中毒にも関わらず、私 はケータイ小説にどっぷり ハマっていっ た。

物語の中で紡がれる主人公の恋愛が、甘 くて甘くて、私の理想そのものだったか らだ。