ケータイ小説『ハルシオンのいらない日常』 著:ヨウ


新作はそこそこ面白いと思われたらし く、上位とまではいかなかったけど、ラ ンキングの中間くらいにのぼっていた。

「こんなに見てもらえるなんて、書いて よかったな」

パソコンで読者数を確認し、ホッと一息 つく。

あたたかいミルクティー片手に、次の作 品のあらすじを考えた。

色んな人に注目されたくて書いていた頃 も楽しかったけど、今の方が、精神的に 安定していて、充実感も大きい。

しょせん素人だし、と、冷めるんじゃな く、素人だからこそ書けることがあるの だと、今は前向きに小説作りをしてい る。

それというのも、彼の――海君のおかげ かもしれない。

昔、私は海君のそばに居ることしかでき なかった。海君から与えてもらうことば かり求めていた子供だった。今は、海君 と付き合うことで成長していく自分を実 感している。

今まで私は、自分をダメにすることしか してこなかったけど、これからは、自分 を向上させるような生き方をしていきた い。