その日の夜。
海君が帰った後、ベッドに横になり、私 は考えた。小説に対する自分の想い を……。
帰り際、玄関を出る時、海君はこう言っ た。
『中学時代のヨウも好きだったけど、ひ とつのことに熱中して楽しそうにしてる ヨウはもっと魅力的だと思ったんだ。
小説のこと――読者とか他作家の目とか そんなの気にせず、ヨウらしくのびのび 書いてみたら?
俺、ヨウの作品なら何だって読める自信 あるから』
そんなに強く期待されるとプレッ シャー。半面、海君がそんな風に言って くれるのなら、自己満足でもいい、何か 書いてみようと思えた。
翌日の講義は昼からなので、私は迷わ ず、パソコンの前に座った。
新しい作品を書こう!!
以前のように、現実逃避するための創作 じゃない。私が私らしく、生き生き輝く ための創作をするんだ!!


