「ううっ……」

抑えていた涙が流れる。泣きたくないの に、溢れて止まらない。海君の服が、こ ぼす間を与えずそれらを吸い込んでいっ た。

「ヨウの求める、女友達、親友、彼氏、 親。俺が全部、なってやる。スキルも経 験も何もないけど、孤独になんてさせな い」

「……!!」

中学生の頃、海君が言ってくれた言葉、 そのままだった。

空部の活動中、放課後の校庭で、海君は そう言ってくれた。今、私は、彼に当時 と同じ言葉をもらっている。

あの日――。中学生活の終わりが迫った 冬、私が海君の言葉に『うなずいて』い れば、きっと私は、ここまで傷つく人生 を送ってこなかった。

海君のあまりある愛に包まれて、何の心 配もなく過ごしていたはず。