「郁!」
呆然としているわたしに、諒が気づいた。でも、怒りで何も聞こえない!
あれ、わたし、どうしたの?
びっくりしてる?
やっぱりモテるんだ、とも思ってる?
でも、やっぱり怒りの方が大きいよね。


「郁、大丈夫か??」
あの女の子たちの声が聞こえてきた。
「まじかよー、彼女持ち?
めんどー?ちょーかっこいーから、まじ、遊びたかったのに!てか、うちらよりまじ、幼いし、かわいくないのに!」


初対面なのに、どうしてそんなことが言えるの?
女の子ってこんなに、怖い存在だったっけ?
それに…
「郁、郁はあんな奴らのこと、気にしなくていいんだからな。郁は、あいつらよりも、何百倍もかわいいし、魅力的だし、話してて楽しい。」


褒めてくれてるのはわかってる。
返事をしなくてはいけないのもわかってる。
でも、初めて女子の僻みを見たわたしは驚いた。
それに、おかしい…
これも諒が魅力的だからなのか!?
しかし…
あの子たちは…


「ごめん、女子にあんな反応されたの、初めてで、驚いた!諒、大丈夫?」
「えっ?なにが??」


「…あの子たち、ひどいよね、諒のこと、よくも知らないのに、かっこいいから、とかで遊ぼうとか言って!」
わたしはつい、自分のことのように怒ってしまった。


諒はとても驚いていた。
なぜだろう。
「怒るの、そこ??」
えっ?
どういうこと??
「だって、かっこいいからっていう理由で、諒自身を見てないのに、好きっておかしいよー」
「そうだよね、だけど、郁もかなり目に悪く言われてたじゃん??」


「そんなの、ぶっちゃけどーでもいいの!」
だって、わたしは、
「あの子たち、わたしに直接言おうとしないなんて、卑怯だもん!諒にやってることも、なんか変だし!そんな人に言われたことより、諒の方が心配!」


あれっ!
まずい、諒のこと好きってばれた??