「カップルハートにあたしと来るなんて、めっちゃ物好きでしょ!
彼女とかいないの?」
にんまり笑って、諒くんは言った。
「俺に興味、持ってきちゃった?」
「あのねー、言わないでおいてあげたんだけどさ、カップルハートに彼女でもない人と行くなんて、さみしくない?」
「それはこっちのセリフだよ。
郁ちゃんは彼氏いないの?」
「いるわけないでしょ!このわたしに!」
ドヤ顔してみた。
ちっちゃく、
「ドヤ顔するとこじゃないでしょ。」
って聞こえたけど、無視無視!


「俺もだよ。彼女いません。」
そっかー、イケメンなのになー、もったいないね!
「イケメンなのにもったいないね!」
苦笑いされちゃったけど、
「ま、こっちのセリフですよ。」
って言われた。
お世辞でも、ま、ありがたく、受け取っておこう。

「じゃ、今だけ、カレカノになる?」
なぜ、そうなる?
訳分からないよ!
内心、すごくパニックに陥ったけど、それは見せたくない。
「なんで?」
「気分。」
気分だとー?
「あたし、言っておくけど、今まで、誰とも付き合ったことないよ。初彼だよ。」
そしたら、きっと、やめるんじゃない!?
諒くんは、真顔になって、軽くふっと笑って言った。
「じゃ、いずれ彼女になって。今はまだ、友達。」
それって告白なのかな?
なんでだろう?
「どうして、わたしにそんなことを?」
「郁ちゃんのことが、好きになったみたいだからだよ。」