「もうすぐ、シフト終わるから、その時に巧くんたちも混ぜて、学祭、回ろうって奈緒に言われてるから、4人で回るってことになるよね!?どうすれば、いいか分かるよね!」
私は、とっておきの、愛想笑いを浮かべた。あくまでも、私にとっての愛想笑いだから、大抵、愛想笑いだと、気づかれない。
「でも、それじゃあ、簡単に良い雰囲気にはならないんじゃ?」
なかなか鋭いな。ま、もちろん、愛想笑いとは、気付かれなかったけどね!そんな事になるだろうと、前持って、作戦は考えてあるんだってば。舐めないでよね、私の作戦を。
「と思って、お化け屋敷と、占いと、カップルハートっていうカップルで課題をどんどんクリアしていくゲームに行くつもりなんだ。どれか一つでは、良い雰囲気になるんじゃない、たぶん?」
これで、分かったかな。でも、この人と回るなんて、面倒だな。奈緒のためだし、耐えるか。
「いいね、でも、最後にカップルハートとかいうゲームがいいんじゃない?」
「うん、じゃ、そーする。引き継ぎ、してくるから、よろしく!」


奈緒の方に目配せすると、いそいそと奈緒は、私の方へ歩いてきた。
ご機嫌だ。何かいい事、あったかな。
「奈緒、引き継ぎだよー」
まったく、晴れやかな顔をしている。恋する乙女は違うな。
いいねー、いいねー、これは来てるねー、乙女パワー笑


などと、内心で茶化すのも、正直、私らしくない。どうしたのかな。
ぼんやり、自分が分からなくなり出した私だが、気づくと、引き継ぎは、終わっていた。