「やだやだ!
ぜったい、認めない!!
諒はわたしのものよ!」
花音さんが暴れまわり出した。



きれいな女の人が、嫉妬に狂い、鬼のように髪を振り乱している。
こんなの、おかしい。
恋に溺れても、きっと、それは良い思い出になるはずなのに。
それだけ、好きになった人なら、幸せを願うものじゃないの?



「花音さん、やめて!」
「あんたに言われる筋合いないわ!」
「いや!!」
わたしは花音さんに思いっきり突き飛ばされ、尻もちをついた。
痛いよ…