帰りのSHRが終わったら、誰とも話さず
荷物をまとめてとっとと家へ帰る。


歩いて10分の所にある大きな高級マンション。
その最上階を柚樹1人で占領している。





何でかって?

…ま、両親が2人とも社長だったからね。




ガチャ



「ふー。ただいま。」



誰もいない静かな家の中に響く声。

返事がないことを知っていながらも
無意識に言ってしまうのは長年の癖だろう。


そんなことを気にする素振りはなく
靴を脱ぎ、真っ先に自分の部屋へと向かう。





…そして、眼鏡、かつら、カラコンを取る。