今日、君が結婚します

「えっ?もしかして、お好み焼きって自分で焼くの?」



「そうだよ。もうテニス部の奴らと来るとみんな下手でさ、ヤスだけ。まともに食べられる形なの」



店員さんが運んできたのは生地や具。


このお店焼くのは自分たちというセルフスタイル。


松原くんは慣れた手つきで生地をかき混ぜて鉄板に流し始めた。私も同じようにしながら会話を続けた。



「ヤスって坂下くん?坂下くんって器用なんだね」



「でも、俺も今日は絶対に失敗しない。あっ、そろそろいい頃かな?俺がやるの見てて」



二つのテコを持ってくるっと上手にお好み焼きをひっくり返す松原くん。


やったねと笑う彼のお好み焼きは綺麗な形だった。