「平瀬、無理に誘っちゃったけれど傷、大丈夫?痛まない?」



「うん、大丈夫。先生が大袈裟に言ったけど擦り傷程度に思っててくれたらいいから」



「ごめんな、女の子なのに傷跡残るなんて。俺のこと・・・庇って」



「本当に気にしないで。大丈夫。それに私だってあの重いアンプを一緒に持ってくれて助かったんだよ。だから、それのお礼ってことで深く考えないで」



私、振られたんだ。こんな風に一緒にご飯食べてるけど彼女に悪い。


松原くんに怪我をさせないように咄嗟に庇ったけれど彼女が知ったらいい気なんてしない。



今日で終わりにします。



だから今日だけは、今日だけは松原くんを独り占めさせてください。