「それで、泉美のことって?」
注文したコーヒーに口をつける。ここまで松原くんと並んで歩いてきたけれどどちらとも声を発することはなかった。
10年前のあの帰り道は必死で話すことばかり考えていたのに。
「平瀬って騙されやすいな。泉美のことなわけないだろ。今日は平瀬に会いに来たんだ」
はっ?その言葉に顔を上げてじっと松原くんの顔を見た。
小さく口角が上がり、私を見る彼。大人になった彼をちゃんと見たのは今が初めてかもしれない。
不覚にもときめいてしまった。
慌てて視線をそらし、コーヒーを口にする。
注文したコーヒーに口をつける。ここまで松原くんと並んで歩いてきたけれどどちらとも声を発することはなかった。
10年前のあの帰り道は必死で話すことばかり考えていたのに。
「平瀬って騙されやすいな。泉美のことなわけないだろ。今日は平瀬に会いに来たんだ」
はっ?その言葉に顔を上げてじっと松原くんの顔を見た。
小さく口角が上がり、私を見る彼。大人になった彼をちゃんと見たのは今が初めてかもしれない。
不覚にもときめいてしまった。
慌てて視線をそらし、コーヒーを口にする。

