「ちょっと、なんで俺を差し置いて二人で抱き合って泣いてんの?今日の主役は俺と亜希子なんだけど」



声のするほうに寛子と二人で目を向けると白いタキシードに身を包み腕を組んで拗ねている大和くん。



旦那様ながらに格好よくて思わず頬が赤くなる。




「すごいわね。10年前と同じように惚れているんだ。あたしも負けてられないな」



「ねえ、寛子。今日、坂下くんも来るよ」



寛子の頬が赤くなる。なんと中学時代、寛子は坂下くんが好きだったらしい。



しかも、今はフリーみたいだし、うまくいってほしいななんてちょっと思ってたりする。



「あっ、じゃああたしはそろそろお邪魔するね。亜希子、今日すごく綺麗。本当、おめでとう」