泉美の声がして少し待つと中の鍵が開けられて泉美が出てきた。


ちゃんと顔を見るのは久しぶり。悪阻のせいかかなりやつれて見えた。


中に促された。玄関にはさっきまで一緒にいた大和くんの靴が綺麗に置かれてあった。



「突然、呼び出してごめんね」



「ううん。大丈夫」



出されたスリッパを履くとリビングのドアを開ける泉美。


中には『彼氏』としての佇まいでソファに座る大和くんがいた。


私の姿に気がつくと立ち上がりいかにも『他人』『彼女の友達』という風にぺこりと頭を下げた。


その姿が完璧過ぎて私も軽く頭を下げた。



泉美はキッチンに立ち、コーヒーを淹れてくれているみたい。