泉美のマンションの下に車が停められて二人で降りた瞬間、大和くんは小さな声で耳打ちするとスタスタと先にエレベーターへと向かった。


私はそこにただ立ち尽くすしかなくて消えていく大和くんの背中を見つめていた。



携帯を確認すると5分過ぎたみたいで私は言われたようにエレベーターに乗って泉美の家に向かうことにした。


一階まで来たエレベーターに乗り込む。そして目的の5階に到着。



この間、ここに来たときもかなり緊張したけれど今はわけがわからないし足が竦む。でも、行かなくちゃいけない。


一度止まった足を進めることにした。



泉美の家の前、今度は逃げられない。



大きく深呼吸をしてインターホンを鳴らした。



「・・・ちょっと待ってね」