そっと左手を取られ小箱の中の輝きを薬指に嵌められる。



彼が用意してくれたのはエンゲージリング。泉美と決着をつけて私を選んでくれるの?



でも、彼女には・・・




「そんな不安そうな顔しないでよ。大丈夫。ただ、一つだけ約束して。今から俺とは他人ね」




慌てていて動揺している私の目の前で携帯でメールを打つ大和くん。



全く理解できない。ふと私の携帯が震えた。表示されている名前は泉美。



大和くんは大きく頷く。
私は震える手で耳に携帯を当てた。





「・・・あのね、話したいことがあるから今からうちに来て」