「・・きろー・・おきろー」

  

  いつも聞き慣れてる声がする。

  

  「起きろって言ってるでしょ!」

  
   ガツンッ

   
  俺はカバンを顔面に受け、

  ベッドから転げ落ちた。

 
  「もうっ いつまで寝てんのよ」

 
  こうしていつも起こしてくれてるのは

  
  俺の幼馴染の

  前田 京子だった。


 「あれっ まさかやりすぎちゃった?」


  俺が言葉を失っていると心配そうに

  見つめてきた。


  少し遊ぶことにした。


  「じっ自分の名前分かる?」


  「俺の名前・・わからない」


  「えぇ!? うっうそ!」

  
  いつもの仕返しとばかりに


  「あんた誰なんだ?」


  「私の事忘れたの? ホントに?」


  「ごめん・・思い出せないんだ」


  京子は涙目になりながら


  「わっ私のせいだ どうしよう」


  ふぅこのままだと学校に遅刻しそうだな


  「俺の名前は、夏宮 誠 

    さっきのは嘘だ」