俺と小柄な生徒は互いに首を傾げた。
「龍、もしかして……」
「ああ、そのようだ。」
「そっか……そう、だよね。必ずしもって訳じゃないんだもんね。」
と小柄な生徒は残念そうに肩を落とした。
え、これって俺が悪いのか……?
「あの……」
「あ、いきなりごめんね?俺、白宮 壱(シラミヤ イチ)って言うんだ。桃園学園、三年A組!」
さ、三年生だったんだ…。
「藤倉 佐紀です。今日入寮してきました。一年C組です。よろしくお願いします。」
頭を下げたら、壱さんは慌てた。
「いいの、いいの!俺に頭なんて下げなくて!姫様はそんな事しちゃダメ!!」
「あの……その姫様って何なんですか?俺、男ですし……そんな大層な身分の生まれじゃないですけど」
龍さんといい壱さんといい、誰と間違えているんだろうか?
俺の疑問に龍さんと壱さんは顔を見合わせた。
「その話は追々致します。それより部屋のご案内を。」
「は、はぁ…」
どっちかと言えば部屋より、話の方が気になるんだけど…。
俺は投げ出された封筒を拾い、中から入寮案内を取り出す。
「204号室です。」
「204!?」
すっとんきょんな声を出したのは、壱さんだ。
「204って事は……アイツと同室だよね?」
「そのようだ。良かったと言うべきか悪かったと言うべきか……」


