「えっと壬生…くんは、同じ一年だよね?」
「……だから?」
「何組なのかなーって…」
「……………」
壬生は本から一旦視線を俺に移して、すぐに元に戻した。
「……C組。」
「俺と一緒だ!」
こ、これは仲良くなるチャンス!
俺は壬生に近付く。
「なぁ、名前で呼んでいい?俺も呼び捨てでいいから。」
「……何で?」
「仲良くなりたいから!」
壬生の冷たい態度に負けじと明るく詰め寄る。
「……勝手にしろ。」
ぶっきらぼうに要樹は言った。
俺は嬉しくて、要樹に手を差し出す。
「よろしくな!要樹!!」
要樹はしばらく俺の手を見て、うるさい奴だと呟いた。
「握手してくんないの?」
「……何で?」
「友達になった証!」
「……必要ない。」
要樹は再び本に集中し始めた。
ちょっと無愛想な奴だけど、
何とかやっていけそうだな。


