「ちょっと二人とも止めて!恥ずかしいから!!」
「――なんやおもしい事やってますねぇ」
コンコン、と部屋のドアを叩きながら、一人の生徒が部屋の入り口に立っていた。
「朱鷺(トキ)!」
「おはよーございます、壱さん、龍さん、それから…」
視線が俺で止まる。
「あ、藤倉 佐紀です。今日入寮してきました。」
「…………」
反応がない。
頭の上から足の先まで視線が滑る。
「あ、あのぉ……」
「ああ、どうもすんませんなぁ。僕、柴原 朱鷺(シバハラ トキ)言います。一年C組、よろしゅう頼んますわ。」
笑うと一重の目が更に細くなった。
「一年C組って……俺と一緒だ!」
「そうなん?そりゃあ奇遇やわ。分からんことあったら、いつでも聞いてや。」
これは……
お友達一号!!
「よ、よろしく!!朱鷺って呼んでいい?俺は佐紀でいいから」
「ええ、かまわへんよ。」
俺は朱鷺の手を握って勢いよく上下に振った。
「人の部屋で騒ぐな。」
この声は………。
部屋の入り口には同室の壬生の姿。
片手にペットボトルが握られているから、飲み物を買いに行っていたらしい。
「別の場所でやれ。」
「まぁまぁ、そんな怒らんでもええやろ。せっかく我らが姫様に会えたんやから。」
「関係ないね。やりたいなら、お前らだけでやれ。俺を巻き込むな。」


