彼が幸せであるように

 
 
必死に頭の中で過去を探り寄せても、
ズキッと頭が痛むだけ。
結城くんは、私のことをずっと
想っていてくれていたのに。
  

覚えていないなんて、最低だ。
  

「ごめんなさいっ…わたし、」
 

思っている事を言う前に、まって、と
結城くんの人差し指が私の唇に触れた。
 

「これから、俺の事知ってくれる?」
 
  
 
そんなの決まってる。
 
 
 
 
男嫌いで
 
近くにいるだけでダメなのに
 
 
でも、平気な人が現れて。
  
 
…運命、感じるしかないよね。
 
 

「…うんっ…」