電話口から漏れる罵声を無視して、ぎゅっと握ったスマホを念を込めて切る。 やっぱりアイツは、いけすかねえーーーっ!!!! 『傷つけるなよ』 耳に残ったアイツの言葉が反芻する。 先ほどまで感じていた彼女のぬくもりに頬が緩む。 意外と、すんなり受け止めれたアイツの言葉に。 俺の心は無限に広がる空のように澄み渡っていく。 言いようのない温かさに満たされ、空を仰いだ――。