こっそり胸のうちで感謝を。 一部始終を見られた先輩に、今さら取り繕うつもりもなく。 「先輩。私、哉太のことが好きですっ!!」 今なら、胸を張って言える。この想いを――。 「知ってる」 私が好きだった笑顔を向けた亜希先輩の背後で。 グランドで湧く歓声が青空の下に降り注いだ。