「…ら」 「さ…っ」 「サクラ!!」 虚無感から、いつの間にか感傷的に浸っていた私は、哉太の声が耳に届かなかったのだ。 大声で叫ばれ、振り返った視線の先に。 肩を上下させ息切れ状態の哉太がそこにいた。 走って、私のこと追いかけて来てくれたんだ…。 不覚にもドキッと胸が高鳴った。