その口元を見つめて、自身の唇のカサつきを少し恥ずかしく感じた。 こっそりと記録帳で口元を隠した私の背後で、砂を蹴る音と共に驚いた声が響いた。 「…あかり?」 「森本くん!!」 女の勘ってヤツは、結構あたると思う――。 いやな胸騒ぎがしたのだ。