「陸上部の練習とやらに、俺様が行ってやってもいいぜ」 「えっ!?」 自分のことを俺様って、呆れるわ…。 それに、いつもなら完全にスルーしてるのに。 なんの心境の変化? 「ただし、条件がある」 やっぱり。 絶対なんかあるって思ってたけどさ。 でも、せっかく部活動に参加してくれる気になったんだから…。 ここは年上の私が大目に見て、任務遂行のためにその条件を呑まなくちゃっ!! 桜、ここは我慢よ。我慢。 これも仕事の内。仕方ないのよ。 そう自分に言い聞かせ、彼の顔を見上げた。