ベンチで、ひとしきり泣いた。 英知くんは、側にいてくれたけど、下手な言葉は言わず、ずっと無言だった。 ───…… 「……ごめんね、ありがとう。」 やっとのことで泣き止んだ私。 気がついたら、空が暗くなり始めていた。 「……別に、泣いてる人置いていくわけにはいかないし」 と、罰の悪い顔をした。 ごめんね……、ごめんなさい。 面倒な女だよね、分かってるけど。 これで諦めるから…、努力するから…、 最後にもう一つ、だけ。 「……ねえ、私にキスして」