「嫌?」



悲しそうな表情をして、訊いてきた蒼。
………こんなふうに訊かれたら、
断れないっ!!!



私は、とうとう首を横に振ってしまった。



すると、私の眼に映ったのは、蒼の満面の笑み。



こんな、愛しい笑顔が見れるのなら、
キス………何度してもいい。
多分、こんなふうに思う私はバカだと思う。



―けど。



私の唇に振ってきた蒼の唇は、
柔らかくて、ふわふわとして、気持ち良くて。



幸せだ。



何度も何度も唇を合わせ、息をつく間に



「俺の首の後ろに腕、回せよ。」



そう指示されると、
私はキスに酔ったのか、
自然と蒼の言う通りにした。



蒼にも抱き締められ、
身体と身体が密着する。



私はものすごくの幸せに包まれた。



―それから、何度もキスをした後に、唇が離れ、
一瞬、名残惜しい気持ちになって、
私はそんな気持ちを慌てて否定した。



でも、蒼は直ぐ様私の髪を掬い、キスを落とし、
首筋、肩、鎖骨に何度もキスを落とす。
すると、ビリビリと広がる甘い痺れ。
身体中に
電流が流れるかのような感覚に支配される。



―そして。



ちくっ。



「………痛っ…い…?」



痛みが走った。



「………ふっ。」



蒼が私の耳元で軽く笑った。



「…何、したの…?」



「何もしてないよ。
ただ、キスしただけ…。



ほら、また勉強頑張れよ。
目標点数いったら、御褒美だ。」



「う、うん!!!頑張る!!!」



そう、蒼に上手い具合に誘導されて、
私は意気揚々と車を後にした。



「………綺麗についてたな…。」



意地悪く笑いながら呟く蒼が
いたなんて私は知らなかった…。