―知ってるよ。
何で、鼓動が高鳴るかなんて。
何で、胸が締め付けられるかなんて。
何で、こんなに、
愛しいと思うかなんて…。
そんな理由なんて一つ。
私が蒼を好きだから…。
きっと、今までも、好きだった。
でも、自分自身の気持ちに
気付かない“ふり”をしていた。
だって、年上の
しかもお医者様の超エリートが、
私みたいな小娘なんかを
本気で相手にするハズない…。
―そう、思ったんだと思う。
だから、そんな恋心に
自覚したくなかったんだと思う。
だけど、
そんな封印した心を
解放してしまったのは、
私は蒼を
“愛しい”
―そう感じてしまったのが、原因だと思う。

