「はぁ…、寂しいなぁ…。」



―何で、こんなに、寂しいのだろう…。
―何で、こんなに、恋しいのだろう…。



こんなことなら、
入院中の私の方がきっと強かった。



―蒼が私の主治医でも、
傍にいてくれるわけじゃなかった。



医者の蒼にはたくさんの患者さんがいて、
私もその中の一人だった。



毎日、一回、診療として顔を合わす。
それから、蒼が暇な時間に
1、2回話に来てくれる。



そんな程度だったのに、
同棲してから毎晩一緒にいるのが
当たり前になっていて、
そんな日常から外れたことが起きた今日、
とてつもない寂しさに襲われる。



蒼は、
『寂しかったら、電話して。
その時は出れないかもしれないけど、
またかけ直すから。』
―って言われたんだ。



―本当は電話したい。
とてつもなく声が聞きたい。



…だけど。
私の我が儘で
仕事中に電話かけるだなんて、
そんな迷惑がかかるようなことは
したくない…。



そんな葛藤に囚われながらの勉強をして、
一時間…。