「先生。」



「約束破るな。」



「蒼…。



何してるんですか。」



「敬語禁止。」



「蒼…、何してるの…?」



「海を感じてんだよ。」



”それくらい、わかんない?“
―耳元で、囁くと、



「へ、変なこと、言わないでっ!」



慌てふためく海。
あー、可愛い。



「海こそ、何してんの?」



「…お、お味噌汁、作ってんの!



味見、する?」



そう言って、少し、
味噌汁を掬って用意してくれたから、
俺はそれを味見した。



「うま………。」



―思わず口から飛び出した本音。



「本当!?
良かったー、上手くできたー。」



そう言いながら、
俺に抱き締められたまま
料理作りを再開させる。



―嗚呼、なんか、スゲー幸せだな…。