―アレから、
なんとか海の機嫌を取って、
一緒にスーパーへ買い物に行った。
それから、
海は夕飯を作ってくれたんだ。




カルボナーラとミートスパゲッティ、
クリームチャウダーとポテトサラダ。



スパゲッティと
チャウダーはソースから手作り。
もちろん、ポテトサラダも。



―有り得ない。いつもなら。
こんな、しっかりとした夕飯、
食べれないし。



―誰かの手作りの飯を食べるのさえ、
かなり久しぶりだった。



「もちろん。」



俺が笑ってそう言いながら、
海の頬を摘まむと彼女も笑った。



―苦笑いだけど。



「早く食おうぜ?」



「うん!」



「「いただきます。」」



二人、席に着いて、手を合わせた。



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「スゲー、うまかった。」



「本当に!?」



「うん。店、開けるんじゃないの?」



「お世辞過ぎるよ!」




―そう言って
笑う海は本当に嬉しそうで。



可 愛 い



「ほら、食器、洗っとくから、
先に風呂、行ってこいよ。」



「え、いいよ。
家事やるのが、条件だし!」



「いいって。
夕飯作るの、大変だったろ?
片付けぐらい俺がやるよ。」



「いいって。私やる!」



―ったく。強情だな。
まっ、そんなトコロさえ、
可愛く感じるんだけどな。



「んじゃ、一緒に風呂入る?」



「は?」



「言うこと、聞けないなら、
…お仕置き…だな?」



そう言ってニヤリと笑えば、



「すみませんっした!
全力で言うこと聞きます!
風呂、行ってきまーす!!」



一目散に、逃げるように、
とてつもないスピードで、
着替えを持って風呂場に飛び込んだ。