「此処、何処?」



「都内のマンションだよ。」



「此処、
超高級そうに見えるんですけど?」



「年収2000万ないと
住めないマンション。」



「ひぇぇぇぇぇー。」



「オイ、コラ。逃げんな。」



「ぎゃー!!!」



ヤバイって!!!
金持ちの家に預けられるの???
ヤダヤダヤダヤダヤダヤダ。
絶対、陰湿そーじゃん!!!



いじめられて、泣かされたり、
痛い目に合うのかな?



…………………………怖いよ。



「ホラ、着いたぞ。中入れ。」



エレベーターに乗せられて、
部屋まで少し歩いた。
そして、何故か先生が鍵を開けていた。



――――――――――ん?何でだ?



「ってか、何で先生が鍵開けてるの?」



「中に入ったら、教えてやるよ。
とりあえず、中入れ。」



先生は基本、ポーカーフェイス。
だから、私はわからなかった。
先生の口角が
微かに上がっていたなんて…。



―私は逃げ出そうとこの場からの
脱出を試みた。―――が。
先生に阻まれ、睨まれ、
それだけで怖じ気づいてしまい、
戦意消失した。



先生に促され、
私は息を飲んで覚悟を決めた。