やり過ぎた。
―そう思いながら、数日が経過した。
『アピールしろ。
やり過ぎぐらいに
彼に積極的に近付け。』
亜美にそう言われたのが、
全てを暴露したその日。
―そして、その夜に蒼に
『逃れてみろ。』
なんて言われて、それが嫌だった。
多分、蒼は、
『嫌ならちゃんと拒否しろ。』
って言いたかったんだけだと思うんだけど。
その言い方が
まるで突き放すようだったから、一瞬で
とてつもない寂しさと悲しさに襲われて
慌てて蒼の首に腕を回して抱き付いた。
蒼は、そんな私を
『離す気ないから心配すんな。』
って言ってくれて、
強くしっかりと抱き締めてくれた。
―それが、恋人同士の会話みたいで
ものすごく嬉しかった。
―のも、束の間、蒼は唇を離すと、
満足したかのように
『んじゃ、勉強しようか。』
って笑顔で言って、
浮かれていた私を現実世界に引き戻した。
―でも、今から考えると、
自分から彼の首に腕を回すとか、
完全にやり過ぎだ。
嗚呼、やってしまった。
なんて、考えている今日この頃。