「もっと、濃くしておかないとな?
『俺の』っていう証を。」



―そうニヤリと意地悪く笑えば、



「…あの、感覚はちょっと…、
慣れないというか…、困るというか…。



できれば、違うものじゃダメですか…?」



「嫌?」



「嫌では…。」



「嫌なら、この腕の中から逃れてみろ。
無理強いはしない。」



「そ、そんなこと…、できない…。」



そう言いながら、
俺の首に腕を回してきた海。



…ヤバイ、
とてつもなく愛しさが溢れだしてくる…。



「蒼から、逃げるなんて、できないもん…。」



「………ああ。離す気ないから心配すんな。」



―こんな会話してても、
きっと海は理解してないんだろうな。
俺が心底海を愛しく想っているなんて…。



ま、いいけど。
その内、本当に俺のものにしてやるから。



―なんて思いながら、
海の白い綺麗な首筋に抱き締めたままで
吸い付いた。