「はああああー」

盛大な溜息をつきながら自分の机に崩れ落ちた。

「お、どしたのそんな溜息ついて」

話しかけて来たのは、矢野 遥香(ヤノ ハルカ)私の一番の友達である。

「また中島君の事?」

…またと言われるほどあいつの事を喋ってたのか私は。

「うん、まーね」

「何がそんなに嫌なの?かっこいいし人あたりも良いじゃん」

私はむしろ羨ましいけどなーと続けながら遥香はコーヒー牛乳をすすった。

「あいつと喋るとろくな事が無いのよ」

中学の頃、あいつとお隣さんだからって女子の半分ほどを敵に回した事さえあるのだ。

「あー、女子って怖いもんねー」

お前も女子だろ、というツッコミは心の中にしまっておいて私はいちごみるくをすすった。